【本の感想】梅原大吾 『勝ち続ける意志力』

梅原大吾 『勝ち続ける意志力』 小学館小学館101新書)、2012年発行を読みました。

☆☆☆☆

副題は『世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」』です。ゲーマー世代の自己啓発書とも読めます。

プロ・ゲーマー梅原大吾を知ることができます。梅原大吾の半生や、空白の期間に何をしていたか知ることができます。

何を考えてゲームに取り組んでいるか、「勝ち続ける」ために何を思考しているかを知ることができます。

梅原大吾という男

知らない人からすれば「ふーん」と呟く程度ですが、あの動画を見て知っている身としては兎にも角にもすごい人です。

一時姿を消していた時期があり、何をしていたかを知れたのは面白かったです。まさか、麻雀と介護業で生活していたとは思いませんでした。

その姿を消していた頃や、子供の頃の話などで伝わってくるのは、とことん諦めの悪い人で、追求し続けている人だということです。

「勝ち続ける」ために

本の題名である『勝ち続ける意志力』に関わってくることですが、勝ち続けるために意思力をどのようにつけるかという話です。

この話は面白いです。ゲーマーでも他の道を究めようとしているもしくは、その位置にいる人と同じようなことをしています。つまりは日々探求と試行錯誤です。イチローが野球に、羽生が将棋にかけた時間を思うと、ある意味当然なのかもしれません。小説では、桜坂洋『スラムオンライン』で主人公が延々と格闘ゲームに時間をかけていますがそれと同じです。

しかもただ時間をかけるだけではありません。時間をかけるのは当たり前として、セオリーを学んで10の力を手に入れるだけでは11以上になれないからと創意工夫していく姿はある意味求道者です。ストリートファイターならリュウです。リュウを使っている動画を何度か見ている身としてはリュウと梅原大吾が重なって見えました。

ここまで追求したらかっこいいですね。

さいごに

ストイックにゲームを続けている姿は終わりのない探求です。その終わりのないことだからこそ題名が『勝ち続ける意志力』なんだと思います。

この姿はかっこよく、真似したくなります。その真似がゲームでなく仕事であれば、本書は自己啓発書に変わります。しかも、ゲームを通じて書かれているから伝わりやすいです。そういう意味ではゲーマー世代の自己啓発書といえます。

その一方で、突き抜けた状況を維持するというのはこういうことなんだと突き付けられたようにも思います。なぜかというと、何事も目先で対応して一過性に終わりがちだからです。

何かをクリアすること、こなすこと、勝つことを目標とせず、それらは通過点として自分が成長を続けることを目的として膨大な時間を費やして創意工夫できるかというと難しいでしょう。梅原大吾はそれができていて、できているから余裕ができ、余裕があるから対応でき、対応できるから勝ち続けることができるのでしょう。

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