【本の感想】橘玲 『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』

橘玲『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』 幻冬舎幻冬舎文庫電子版)、2015年発行を読みました。

☆☆☆

残酷な世界のことを身も蓋もなく語っています。読むと疲れます。生き延びる方法は一つの生活の指針になると思います。

最後は一周回って元に戻ります。煙に巻かれた感じです。

残酷な世界

自己啓発で本当に自分は変われるのか。という命題に突き付けられる結論は実に残酷です。その理由を一つずつ組み立てられてしまうとぐうの音も出ません。

自ずと感じられる限界に、どこまで突っ張って生きていくのかということを考えさせられます。100%真に受けることもないでしょうが、漠然と「実はそうなのかもしれない」と感じていればこの指摘は強烈です。諦めの境地に達してしまいそうです。

とはいえ、どぎついストレートな言葉は現実を受け止めるという意味で、いい意味でも悪い意味でも分かりやすいです。

生き延びる方法

「やればできる」ではなく、「やってもできない」中でどうやって生き延びるかという話です。自分の伸ばせる特異な能力と世界的にニッチな部分をうまく融合できれば生き延びることができます。

真正面から受け止めると随分と疲れる話です。しかし、受け流してしまえば分かりやすい話だと思います。木更津や恐竜の尻尾の中の頭の話はそう思いました。「伽藍を捨ててバザールに向かえ。恐竜の尻尾のなかに頭を探せ。」というのも読めば納得です。

とはいえ、多くの人はそれを見つけられるのかというそれはまた別でしょう。伽藍を破れずバザールには行けず、恐竜の尻尾の中に頭を見つけられないかもしれません。踏み出すリスクを背負えないと、生き延びる方法が分かってもやっぱり世界は残酷です。

食うための金銭面はマックジョブでなんとかして、満足するための精神面は地元の仲間とつるむなり、インターネットでいいねを集めるなりするのが現実的でしょうか。

さいごに

自分は自分です。自分で自分を活かすやり方と場所のヒントはありますが、できるかどうかも自分自身です。そうして話はぐるりと一周しています。その理論と世界に触れることで生きる指針になるでしょうし、考えるきっかけにもなるでしょう。

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