【本の感想】桜坂洋 『よくわかる現代魔法1 new edition』

桜坂洋 『よくわかる現代魔法 1 new edition』 集英社集英社スーパーダッシュ文庫)、2008年発行を読みました。

new editionがないバージョンは桜坂洋のデビュー作です。

☆☆

分かっていれば楽しめるユーモアがあります。

主人公のこよみの設定やしゃべり方がかなり辛かったです。

分かっていれば楽しめるユーモア

魔法もコンピュータの組み合わせ、ギーク的な反応、言葉遊びなど楽しいところがあります。各章の題名とその短い解説がその例です。

一方で、素養が無いと分からない言葉が飛び交います。説明があったり、なかったり様々なので雰囲気を楽しむだけなら気にはなりませんが、分かっていれば「にやり」とできるところがあります。

章の題名を例に挙げると、「アセンブラ」が面白かったです。以下引用します。

1.もっとも原始的なプログラムをコンピューター用のコードに変換するプログラム
2.よくわからないもの。魔法の呪文にしか思えない。

この場合、1.の意味を知っていないと何が面白いか分かりません。75ページの同級生との会話でも「オブジェクト全盛の時代にアセンブラはないかと」と、言われています。これもオブジェクトの意味が分からないとスルーするだけです。

つらい主人公

いわゆるお約束なのでしょうが、読んでいて辛かったです。体型だけ無く考え方も幼く、主人公の台詞はひらがなや擬音が多いです。読んでいると頭が痛くなります。なんというか、知能指数が下がるような、脳が溶けるような感じです。

考え方が幼いところは、Keyのゲームを思い出させます。昔は面白く、良い物と思っていたのですが、年齢を重ねた今となってはただただ頭が痛くなるだけでした。

さいごに

new editionとはいえ、デビュー作です。ライトノベルレーベルから出されている作品ですから、そういうものなのかもしれません。しかし、後の『All You Need Is Kill』と『スラムオンライン』を読み終えた後に読むと、ライトとハード、もしくはソフトとハードの差と言えばいいのでしょうか、その雰囲気の違いに戸惑います。

一部、後の作品を感じさせるところもありますが、それがまた作品全体や登場人物の台詞などとずれている感じがします。

なんというか、全体的にまとまりきらず、とっちらかっている感じです。

渋谷を舞台とした『よくわかる現代魔法2 ガーベージコレクター』に続きます。

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