【本の感想】藤野英人 『投資家が「お金」よりも大切にしていること』

藤野英人 『投資家が「お金」よりも大切にしていること』 星海社星海社新書)、2013年を読みました。

☆☆

お金と投資の正論が書かれています。経済は互恵関係であり、お金を使うことは社会貢献活動であるとしています。

著者はひふみ投信でお馴染みのレオス・キャピタルワークスの創業者にして最高投資責任者です。投資家の立場からするとお金が動いてくれないと困りますから、このような正論を語るのでしょう。その内容は性善説であり、綺麗事とも言えます。

金は天下の回りもの

お金を貯め込むということはお金と自分だけを信じており、お金について何も考えていないと、著者は厳しいことを述べています。

お金を使う意味として、お金の後ろにある社会を考えて良い社会をつくる、社会貢献という考えがあるとも述べています。

さらに、互恵関係であることを意識すれば、良いモノ・コトに価値を感じてそこにお金を使うことになります。つまり、お金を使うということは社会貢献であると同時に投資でもあります。

色々と書かれていますが、昔の人の言う「金は天下の回りもの」です。それに「良い会社・サービス」という考えを足しています。確かに金を回すなら皆が幸せでありたいですね。

補強する言葉は一面を切り取っている

言いたいことは分かるのですが、説明は乱暴です。一面を切り取って語っていると感じる点があるため、眉につばをつけたくなりました。著者は投資家ですからお金を貯め込むではなく回していく必要があるので、このような本を出したのではないかと思うほどです。

例えば最初の方でアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスと比較して、日本人はお金が好きだとしています。なぜならば、日本の個人金融資産の現金比率は他の国よりも高く、寄付をしないからです。

寄付の税法と宗教、文化が日本と他国では違うことが原因だと思うのですが、この点には触れていません。ヒーローの違いよりもこういうことに触れるべきでしょう。

ブラック企業は「安ければ良い」という消費者が生み出すとしています。そういう人もいるでしょうが、多くは一定の守るべきラインを会社が守っている前提での安さだと思っているのではないでしょうか。

ブラック企業はそのラインを越えているからブラック企業なのだと思うのですが。

これらは、細かい説明を省くことで分かりやすさを優先した結果でしょうか。補足でもいいので説明がほしかったです。説明がないと穿った見方をしてしまいます。残念です。

投資家が「お金」よりも大切にしていること

投資家が「お金」よりも大切にしていることはよく分かりません。互恵関係であると理解した上で、お金と投資にもっとポジティブになろうということでしょうか。

しかし、ネガティブな話が多いとポジティブにはなれません。説明不足は不真面目です。理想を語るなら、真面目を語るなら、もう少し語る内容を考えてほしかったです。これでは伝わりません。

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