主婦たちの心の暗部と閉塞感『OUT』
本の情報
- 書名:OUT
- 著者:桐野夏生(きりのなつお)
- 解説:松浦理英子
- 初版:1987年4月15日
- ISBN:(上巻)4062734478/(下巻)4062734486
- 発行所:株式会社新潮社
1998年日本推理作家協会賞受賞。
本書は、1997年7月に刊行されたものを文庫化したものです。
目次
- 上巻
- 第一章 夜勤
- 第二章 風呂場
- 第三章 烏
- 第四章 黒い幻
- 下巻
- 第五章 報酬
- 第六章 四一二号室
- 第七章 出口
- 解説 松浦理英子
あらすじ
深夜のコンビニ弁当工場で働く四人の主婦たち。一人が夫を殺し、三人が死体をバラバラにして捨てた。彼女らはそこまで駆り立てたものは何なのか。主婦たちの心の暗部を描く。
感想
冒頭の弁当工場の厳しさと、それぞれの主婦の抱える暗い重たい問題と重苦しい内容が続きます。
コトが起きてからもその問題は続き、人のずるい嫌なところをこれでもかと見せつけられます。その嫌なところが原因で窮地に立たされるのですが、これが実にわかりやすい流れです。そのため、どう収拾つけていくのかが気になってしまいました。
彼女たちにただよう救われない環境や、すぐに流される心理はいかにもありそうなものです。それらだけでなく、死体をバラバラにするエログロの描写と、暗い嫌になるような内容のはずなのですが、展開が気になって読み進めてしまう不思議な本です。