メーカーと下請の生き方考え方の違い『勇者は語らず』
本の情報
- 書名:勇者は語らず
- 著者:城山三郎(しろやまさぶろう)
- 解説:佐高信
- 初版:1987年4月15日
- ISBN:4101133190
- 発行所:株式会社新潮社
本書は、1982年12月に刊行されたものを文庫化したものです。
あらすじ
川奈自工の人事部長冬木と、その下請会社の社長山岡。戦後日本経済の自動車産業を、二人の視点から描く。
感想
動揺を知らぬ、全て計算ずく、合理的な説明がつくと思っている「乗せの冬さん」と、事の大小を問わず、黙って受けて立つ「受けの山さん」。メーカーと下請けという180度違う二人を軸に、物語は進みます。
自動車産業の急成長と、そこから生まれるメーカーと下請けの軋轢はどこまでいっても変わらず、二人のタイプの違いもあって、自動車産業の厳しさを垣間見たように思います。
そして何よりも、二人の考え方の違いが興味深いです。冒頭の感受性訓練での対比に代表される二人のやりとりが物語の最後まで続くからです。
そのたびたびで二人の違いは分かります。そして、その違いは大きな開きがあります。最終的には、下請会社の社長である「受けの山さん」が受けてしまうます。それらのやりとりと、二人の仕事のやり方と生き方を比べると、どちらが良いものか考えさせられるものがあります。