祇園の中からお客様を見る『祇園の教訓 昇る人、昇りきらずに終わる人』
本の情報
- 書名:祇園の教訓 昇る人、昇りきらずに終わる人
- 著者:岩崎峰子(いわさきみねこ)
- 初版:2003年7月25日
- ISBN:4344003586
- 発行所:株式会社幻冬舎
目次
- はじめに
- 第一章 お座敷で知った、一流になる人の共通点
- 一生懸命な人には、自然に応援団がつきます
- もの静かで謙虚な稲森和夫さん
- 豪放磊落な本田宗一郎さん
- 義理と人情の人、佐治敬三さん
- 苦労を顔に出さない塚本幸一さん
- 誰に対しても誠実な湯川秀樹先生
- 小説のモデルにしていただいた、有吉佐和子さん
- 仕事ができる人ほど現場が好きです
- 交渉の席は、即断即決
- 「さぼる」ことにも意味があります
- 花には早咲きと遅咲きがあります
- 調子が悪い時にこそ、耐える力が備わります
- 一流の男性ほど、目立たないお洒落をしています
- 服装で相手への思いやりが伝わります
- 靴を見るとその人の生活がわかります
- 第二章 祇園で通じる一流の人のお金の使い方
- トップに立つ人ほど質素な質素な生活を心得ています
- 出すべきお金は惜しまずに出します
- 現金授与の現場で分かった人となり
- 少しの御祝儀で楽しさが倍になります
- 幸せも不幸も運ぶお金の扱い方
- 第三章 祇園で出会った一流の生き方、考え方
- 一流の男性ほど子どもの教育に手を抜きません
- 「可愛い子に旅をさせる」学生時代のお燗番のアルバイト
- 「娘さん」にも責任があります
- 「トイレ掃除」は跡取りの仕事
- 奥様は奥向きをしっかり取り仕切っています
- 祇園甲部はファミリーレストラン?
- おつきあいする女性で男性の評判が決まります
- 人の上に立つ人は、教わり上手、楽しみ上手です
- 小さなプレゼントでセンスがわかります
- お刺身のツマを残す人には首をかしげます
- ハンカチ一枚をキッチリ取りに来る人の器量
- 葬儀でわかる男の花道
- 第四章 人の心を引きつける接待術・会話術
- 人づきあいが苦手だからこそできる人づきあい
- “ごもく入れ”に徹して徹底的に相手の話を聞きます
- 話し手の気持ちになってそのまま受け取ります
- 十五分で初対面の人の気持ちをほぐします
- “礼儀正しい対応”が気難しい人の心を開きます
- 欲しいものは自分のお金で払います
- いつも陽気な人ほど本当は難しい人です
- 扇子一本で分けるもてなしの一線
- 苦手なタイプの人ほどていねいに接します
- 思い切って人の胸には飛び込むと道が開けます
- 置屋「岩崎」の教訓
- 第五章 座を盛り上げるための芸妓の会話術
- 名前はお客様同士のやりとりを聞いて覚えます
- 肩書きに頓着しません
- 三年前に出た話題も忘れません
- 「アホぶりのかしこ」と「かしこぶりのアホ」
- お世辞、媚を言えなくても人の信用は得られます
- 褒められるのが苦手な人もいます
- 峰子流お座敷の盛り上げ術
- こちらが悪くなくてもあやまる場合もあります
- 一生分の冷や汗をかいた一世一代の大失敗
- 落ち込んでいる人を励ますのは難しいものです
- 第六章 常にお客様に気を配る芸妓の仕事術
- 顔を覚えてもらうことからスタート
- 徳利の傾きも見逃さない気転と気配り
- “基本的な仕事”を習得することが重要です
- 自分の個性を消すほど真似をします
- 峰子流プロフェッショナル仕事術
- お客様のサインの入ったセンスは他では使わないのが仁義
- きっぱり断ったお座敷があります
- 舞妓から芸妓へ、そして引退まで
- 第七章 ツーカーでわかる祇園のチームワーク
- 裏方の人は意外な情報を持っています
- 置屋でのチームワーク――女衆の奮闘
- お茶屋さんのチームワーク
- ――下足番、お燗番の人たちは縁の下の力持ち
- 芸妓、舞妓、お座敷での役割分担
- 街全体で舞妓を育てます
- 祇園甲部のシステム
- 第八章 祇園がくれた思い出
- 岩崎のおかあちゃんが教えてくれた大切な言葉
- 潔かったHさん姐さんの思い出
- 巴御前は軽トラックに乗って
- 東京・新橋のまり千代さん姐さんと海老のテンプラ
- 東京芸大は芸者さんの行く大学?
- 祇園甲部ではおたふく風邪を郵便局で治します
- 舗装道路は細い?広い?
- ゆり子さん姐さんの思い出――無言参りと千年の恋
- これからの祇園甲部へ
- 祇園甲部で遊びたい人のために
あらすじ
祇園甲部で過ごした十五年間に、お座敷では様々な人たちに出会いました。多くの人たちにあった昇る人たちのエピソードと、花柳界のエピソード。
感想
祇園のお座敷というと、一流と言われる人たちが多く集まるというイメージがあります。その中で、芸妓として多くのお客様と接してきた著者から見た様々なエピソードを綴ったのが本書です。
タイトル、サブタイトルの仰々しさとは裏腹に、中身は柔らかい文体で書かれています。特段、これという話があるわけではありません。とはいえ、著者のプロとしての考え方や行動は、つい忘れがちな基本がつまっていると思います。
それ以外では、祇園の世界が垣間見えるため、なかなか興味深い内容になっています。そのため、祇園や遊びに興味があるならば、そういう方面で楽しめると思います。