[読書雑文]『小麦は食べるな!』Dr.ウイリアム・デイビス(訳)白澤卓二

『小麦は食べるな!』Dr.ウイリアム・デイビス(訳)白澤卓二を読みました。原題は『WHEAT BELLY』です。著者は経験から現代の小麦の危険性を指摘し、食べないことを主張しています。

経験ベースの話

著者は循環器疾患予防の権威だそうです。具体的な話は著者の診ていた患者の話と著者の経験したことがベースとなっています。そのため著者の主張する根拠は調べれば分かる研究だそうですが、参考文献はありません。

日本なら米ですが、アメリカなら小麦

表紙には「遺伝子組み換えの恐怖!」「すべて小麦が原因だった!」と書かれています。恐怖を煽り、権威で語る糖質制限本のような作りです。

内容は、遺伝子組み換えの話から昔と今の小麦は違うという話になり、そもそも小麦が良くないという話になります。そのため『小麦を食べるな!』というタイトルなのでしょうが、小麦に限った話ではありません。最終的に行き着くところは糖質制限です。

「全粒粉でも小麦は小麦。だから小麦は食べるな!」というのはやや暴論に感じますが、今の小麦は昔の小麦ではないということを踏まえて考えると、小麦だらけのアメリカではこれくらいがちょうどいいのかも知れません。

日本なら米ですが、アメリカなら小麦といったところでしょうか。


[読書雑文]『いまの食生活では早死にする』今村光一

『いまの食生活では早死にする』今村光一を読みました。副題は『自分の健康を守るための指針』です。1977年にアメリカ上院栄養問題特別委員会が発表したレポートを元に、著者は食源病に関する意見を述べています。

1977年のレポートだが今も変わらない

『いまの食生活では早死にする』という強烈なタイトルとアメリカ上院栄養問題特別委員会レポートという組合せは仰々しいように感じますが、書かれていることは食源病のことです。

レポートの内容は、「先進国は同じような病気が増え続けている。食生活が原因である」というものです。動物性タンパク質や脂肪、砂糖をたくさんとるようになった。食べ物が作られる過程で栄養が失われている。栄養バランスが崩れている……などの話が書かれています。

1977年のレポートですが、今(2017年)にも言われていることと変わらないのが驚きです。しかしながら、ガンに関するところを読むと、食源病に重きをおきすぎている気がします。その部分を割り引けば良い本だと思います。


[読書雑文]『実録!熱血ケースワーカー物語』碇井伸吾

『実録!熱血ケースワーカー物語』碇井伸吾を読みました。生活保護受給担当ケースワーカーとして十三年勤務してきた著者の語る福祉の最前線です。最前線は弱者と不正が入り交じる現場でした。

福祉を喰い物にする人と必要とする人

法律を武器にして福祉を喰い物にしている者、ヤクザ、アル中、暴れる人、孤独な人、本当に福祉が必要だがどうにもならない人など、様々なケースが書かれています。

やってられない環境

「熱血」がやや寒く、がんばっている自分が出過ぎていて鼻につくところが多くあります。文章もこなれておらず、決して読みやすいものではありません。それでも「熱血」を前に出さないとやってられないところは感じられます。

そのやってられない原因は縦割り行政で、結局は現場にすべてのしわ寄せが来ている現実なのでしょう。それらに負けることなく限られた予算と人員で無茶な対応をこなす姿勢はまさに「熱血」だと思います。

本書では現場を良い意味で支える行政の仕組みまでは出てこないので、行政がどこまで福祉を考えているかは分かりません。全ては現場の泥臭い努力、言い換えれば「熱血」によって動いている様々なケースが分かるのみです。


[読書雑文]『珈琲店タレーランの事件簿3』岡崎琢磨

『珈琲店タレーランの事件簿3』岡崎琢磨を読みました。副題は『心を乱すブレンドは』です。『珈琲店タレーランの事件簿2』の続編です。出場したバリスタ大会で異物混入事件に巻き込まれます。

残念な登場人物たち

バリスタたちはプロのはずなのですが、モラルの低い人たちばかりです。背負っているものにしてもそれほど深く掘り下げているわけでもなく、掘り下げようがない気がします。

彼らの暗躍が事件を起こしているのですが、プロとしての意識が低い異物混入と目的の小ささが物語をより貧相にしています。

さらに残念な方向に

方向転回した三作目ですが、ミステリーとしても物語全体としてもどちらも残念な方向にさらに偏ってしまったように思います。つまらないわけではありませんが、面白くもないのです。


[読書雑文]『珈琲店タレーランの事件簿2』岡崎琢磨

『珈琲店タレーランの事件簿2』岡崎琢磨を読みました。副題は『彼女はカフェオレの夢を見る』です。『珈琲店タレーランの事件簿』の続編です。

読みやすくはなったが

前作に比べると読みやすくなったけれども、なにか尖ったものがなくなってしまったように思います。いい意味でマンネリなのでしょう。

基本的に前作と同じ作りです。あえてミスリードさせる説明方法は変わりません。注意して読めばひっかけようとしているところがおおよそ分かります。前作と比べて意図的にミスリードしようとするのを分かりやすく伝えているので、気軽に読んでも気になるところが出てきますし、フェアになったと思います。

その一方で尖った感じがなくなっています。キャラクターたちが丸くなったのか、読みやすくなった分、小さくまとまっています。おそらくそれを打破するための最後のエピソードなのでしょう。

前作よりも読みやすくなっていますが、広がりもなければ深みもありません。つまらなくもなければ面白くもないところは前作と変わりません。

気軽に読める反面、何か残念な感じは前作同様です。


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