「 2017年01月 」一覧

[読書雑文]『督促OL業務日誌』榎本まみ

『督促OL業務日誌』榎本まみを読みました。副題は『ちょっとためになるお金の話』です。クレジットカードや信用情報について、四コマ漫画と解説で分かりやすく説明しています。

キャッシングの怖さ

深く考えることなくクレジットカードでキャッシングをしていると、お金の使い方がルーズになったり、借金に対する認識が甘くなってきます。本書ではそういう人向けにキャッシングの怖さを分かりやすく、軽く伝えています。

副題の「ちょっとためになるお金の話」のとおり、深く立ち入る内容ではありません。軽く笑いをとりながら綴られるエッセイ集と四コマ漫画です。エッセイと漫画の組合せは非常に敷居を低いため読みやすいです。

キャッシングや借金、カードの支払いが毎月多くて金欠の人ならば読み価値はあるかと思います。


[読書雑文]『督促OL修行日記』榎本まみ

『督促OL修行日記』榎本まみを読みました。ひたすら入金要請の電話をかけつづける、督促の仕事をすることになった著者の苦労話やあるある話、気持ちの切り替え方やテクニックなどが書かれています。

ネタとして楽しむ著者の不幸な状態

「督促」という言葉にはいいイメージはありません。苦労話というよりも不幸話は「督促」の悪いイメージそのままです。職場風景や著者の心情、状態は真面目に細部まで表現すると暗い話になるのでしょうが、本書ではあくまでも「督促」が元ネタの軽いエッセイとして楽しく書かれているため、気分を害することはありません。

あるある話

お客様からの罵声、怒声、脅し、精神的に消耗して退職する人たちなどは職場のあるあるなのでしょう。この仕事は感情労働だと著者は語っていますが、感情労働の辛さがよく分かります。

一方で、仕事を続けている人たちもいるわけで、そのあるある話はブラックジョークのようなものです。当事者でないのでネタとして流せますが、毎回この状況だと辛いとしか思えません。しかし、発想を変えて仕事をする人はどこにでもいます。

つらい職場で生き抜く技術

悪口ノートを作っている人の話が興味深いです。悪意のある言葉は言われ続けると精神的に摩耗していくものですが、むしろそれをため込んで楽しむスタイルにかえています。

入金要請の督促を受ける人からの言葉にどのようなバリエーションがあるのかは残念ながら本書ではあまり分かりませんが、そういうやり方もあるのだと感心します。また、各章の最後にあるテクニックは電話をかける際に色々と有効なことが多く、督促の仕事をしていなくても実践する価値のある物が多くあります。

例えば「相手に言わせる」は期日を守らない人に、「詰まる言葉は付箋に貼っておく」はうまく言えない時に、「具体的に謝る」は申し訳ありませんがループして終わりが見えない時に有効です。

楽しみながらテクニックを学ぶ

著者の不幸話を楽しむも良し、ちょっとしたテクニックを学ぶも良しです。

テクニックは経験すれば身につくのでしょうが、その前に精神的に壊れてしまう可能性もあります。これらのテクニックを付箋に書いて貼っておくだけでも楽になるのではないでしょうか。


[読書雑文]『もし高校野球のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』岩崎夏海

『もし高校野球のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』岩崎夏海を読みました。ドラッカーの『マネジメント』を参考に弱小高校野球部を甲子園へ導く物語であり、物語の形をとった『マネジメント』の宣伝本です。

すがすがしいまでの宣伝っぷり

高校野球部を強くするためにドラッカーの『マネジメント』を使うのですが、ここまですがすがしくドラッカーの『マネジメント』をお勧めされるとは思ってもみませんでした。

内容は進研ゼミをがんばったら成績が上がって幸せというものと同じです。そう思ってしまうと、なんともいえない文章であったり、物語であったり、登場人物については突っ込みではいけないように思えるから不思議です。

何かがあったら『マネジメント』

とにかく困ったら『マネジメント』を読み、問題が解決されるということの繰り返しです。該当箇所の引用がページ付きでされているため、『マネジメント』の引用部分はこうやって活用するのだと、読み解く力さえあれば野球部を強くするためであっても『マネジメント』は役に立つのだと、何度も何度も宣伝されているかのようでした。

「小説で分かるドラッカーの『マネジメント』」、「『マネジメント』はあらゆることに応用できる」などのキャプションをつけてもいいように思います。もちろん最後は、主人公が読んだ『マネジメント』の紹介もあり、どこまでもストレートにドラッカーの『マネジメント』をお勧めしています。

感動か恐怖か

そういう内容なので、素直に感動するか、ひたすら突っ込みかのどちらかになろうかと思います。主人公はそれでいいのでしょうが、付き合うことになった病院の友人のことを思うと、終盤の安い感動は恐怖を感じます。


[読書雑文]『沸騰!図書館』樋渡啓祐

『沸騰!図書館』樋渡啓祐を読みました。副題は『100万人が訪れた驚きのハコモノ』です。人口五万人の武雄市にTUTAYAとスターバックスのある図書館を作った市長が語る図書館リニューアルの話です。

すごいことではあるのだが

お客様目線で図書館を作ろうとすると多くの関係者が反対する矛盾を貫いて図書館を作ってしまったのはすごいことだと思います。営業時間を伸ばし、休館日を減らすだけでも大変なはずなのに、TUTAYAとスターバックスと組むという今までの図書館と全く違う図書館を作ってしまったのですから。

ただ内容は新書だからが深い中身はありません。様々な関係者との様々なやりとりがあったはずなのですが、著者の感想一つで流されてしまうことが多いです。来館数などの数字という結果意外に過程も知りたいと思ったのですが、そういった記載があまりないのが残念でした。

これではただの自慢話です。


[読書雑文]『<旭山動物園>革命』小菅正夫

『<旭山動物園>革命』小菅正夫を読みました。副題は『夢を実現した復活プロジェクト』です。

一時は来園者数26万人だった旭山動物園を来園者数145万人にまで作り上げた園長によるその手法と動物園の役割について書かれています。

動物目線の動物園

動物園は閉じ込めた動物を展示するわけではなく、生きている動物が出来る限り自然に生きている姿で展示しています。いわば動物目線で動物園を考えた結果なのでしょう。その考え方が面白いです。

実行に至るまでの苦労はほとんど書かれていませんが、様々な展示例とともに語られる学術的な知識を展示に活かしていく展開は読んでいてわくわくしてきます。

集客を集めたビジネス的な点でいうと、基礎的な知識を活用したこと、展示する商品である動物が好きであること、動物たちのことを考え実行すること。を組み合わせたから成功したということだと思います。

「好きだから」ではなく、「好きだから探求している」からこそ旭山動物園革命があったでしょう。情熱に触れられる本です。


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