[読書雑文]『超・美術館革命』蓑豊

『超・美術館革命』蓑豊を読みました。副題は『金沢21世紀美術館の挑戦』です。

1年間で集客5~6万人といわれる市立美術館において金沢21世紀美術館は2年あまりで300万人を超える人を集めることができました。「美術館はサービス業」と語る著者の考えや美術館で実施したことが書かれています。

美術館がサービス業に徹するとどうなるか

美術館がサービス業に徹するとどうなるかという一つの答えが書かれています。その根底にあるのが美術館におけるアメリカと日本の考え方の違いです。

アメリカの美術館はオープンなようで、集客にも力を入れています。しかし日本の美術館はそうではありません。そこで金沢21世紀美術館では子どもを軸にして大人を呼び込むということを考え、実行していきます。学校に呼びかけ、子どもは無料という再来館チケットを配布するやり方であったり、なぜそう考えたかということが印象的でした。

もちろん呼び込んだ後に興味を持ってもらわないといけません。そのために、子ども目線でかつ大人が楽しめるような展示のやり方や美術館そのものの環境など、お客様を呼び込むためのサービス業として運営する美術館がどういうものかというのが分かったように思います。

通常の美術館とは異なることをやったのですからそれなりの苦労があったと思われますが、そのような話は書かれていません。そのため、自慢話を聞かされるようなことはなく楽しめました。

巻末は村上隆との対談

巻末の村上隆との対談は残念でした。村上隆は話の中心である金沢21世紀美術館へ行ったことはありません。著者が大阪市立美術館に関わっていたことも知らないような言い方です。さらに否定的で嫌らしい言葉が目立ち、粗探しをしているような品のなさを感じました。

対談を読めば本編を読まなくても概要は分かります。その意味ではよいのですが、村上隆の対談者として力不足を感じました。

対談込みで191ページ、対談を削ると146ページです。足らずを補うために対談はあえて加えられたのでしょうか。対談の意図が分かりません。

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