[読書雑文]『ショコラティエの勲章』上田早夕里

『ショコラティエの勲章』上田早夕里を読みました。人気ショコラトリーのシェフは洋菓子職人として自分にも他人にも非常に厳しく、誤解されがちの性格をしています。老舗の和菓子店の売り子からの視点から、そんな気むずかしいシェフの人柄を描いています。

ストイックな職人の姿

老舗和菓子店の売り子である女性は食べる側の代表です。新興洋菓子職人である男性は作る側の代表です。男性の仕事の打ち込み方や考え方は容赦が無く、様々な場面でその厳しさを見ることになります。

物語の終わりまで、その考え方や行動は徹頭徹尾かわりません。やることなすこと厳しく、分かる人にだけ分かればいいという不器用な一面を持つ職人の魅力が本書の全てといっても過言ではありません。

作る側と食べる側

作る側のその厳しさにやり過ぎを感じるところもあるのですが、認め合った職人同士ではやりすぎではないようです。悪い方向へ引きずらないエピソードの数々はどこかさばさばしており、独特の世界を形成してます。

食べる側として、作る側の考え方や仕事の仕方に初めは驚き、次に惹かれていきます。しかし、その世界はあくまでも作る側だけの世界で出来ており、食べる側の世界からするとただ眺めるしかできません。本書ではストレートにその心境が描かれています。私も食べる側ですので、すこし寂しさを感じました。

物語の終わりにそのことをだめ押しするかのようなことをシェフが話します。作る側の割り切ったストイックなところに対する食べる側のコメントは本の題名にもつながっており、きれいな終わり方をしています。

技術を持つ職人には心の中で賞賛を。

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