[読書雑文]『仁義なき宅配』横田増生

『仁義なき宅配』横田増生を読みました。副題は『ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン』です。

送料無料は誰が負担しているのか。全体の90%を占める三社の成り立ちや立ち位置の説明、そして配送センターやセールスドライバーの実情が書かれています。

構成は大きく二つに分かれます。一つは宅配会社の成り立ちから今に至るまでの説明、もう一つは著者のルポです。

インターネット通販と送料無料が引き起こした問題

それぞれ特色のある宅配会社ですが、その特色だけでは拡大に限界があります。そこにインターネット通販が爆発的に拡大した結果、その市場で各社は厳しい闘いをしています。

その内容は矛盾をはらんだもののように思います。各社それぞれの強みがあるのですが、その強みを持ってしても吸収しきれないほどの状況です。宅配品の量は増えても単価は下がり、現場に負担がいく構造にならざるを得ない状況が描かれています。

苦労は全て現場へ

ルポは佐川の下請けドライバーに同乗した話、サービス残業が横行する宅配ドライバーの話、ヤマトの配送センターで夜間仕事をして分かった話の三つです。

それぞれ拠点間をつなぐ宅配、拠点からお客様さんへの宅配、拠点内での仕分けの話です。送料無料で翌日に届く無茶がどのように実現しているかが分かります。

佐川、日本郵便、ヤマトのそれぞれの話がある中で、ヤマトに対して厳しい目線で書かれているように思います。トップの言うきれい事と著者の体験した配送センターの現状のギャップから怒りがにじみ出ているように感じました。

送料は誰が負担するのか

結局のところ、送料無料は誰が負担するのかというと、宅配の現場が負担しています。終章の題名は「宅配に“送料無料”はあり得ない」ですが、現場が苦労しているから送料は支払うべきというをお客様はほぼいないでしょう。

現場や適正な金額を考えてくれる良心的なお客様を捜すのは困難です。なんでも“送料無料”は行き過ぎだと思いますが、便利なことに慣れてしまった以上、引き返すのは難しい状況でしょう。

まさに仁義なき宅配です。

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