[読書雑文]『だれが「本」を殺すのか』佐野眞一

『だれが「本」を殺すのか』佐野眞一を読みました。本は売れなくなっています。書店、流通、版元、編集社、図書館、書評、電子出版と、その状況を作った犯人をさがしています。

古いが古くない内容

平成13年2月の本に加筆し、平成16年1月に発行した本です。内容には古くささもあえれば変わらないものもあります。

変わらないものは大量出版です。このときにも本の数は多すぎて流通は麻痺し、書店は悲鳴を上げている状況があぶり出されています。その理由として再販制度や経済の仕組みに触れられており、構造的な問題があることが分かります。

ネット書店もまだ黎明期の時代ですから、書店に行っても欲しい本が見つからずに本を読まなくなるというのはある種の答えですし、今もそれはあまり変わってないように思います。

本は特別で大量消費財ではない?

変わったものは本そのもののとらえ方だと思います。著者の愛書家なのでしょう。著者は最後まで姿勢を変えていませんので、その愛書家としての声が端々に出てきます。その内容は「本は大量消費財」なんだと思っている身としては違和感を通り過ぎて、やや気持ち悪さを感じました。

本書は捜査編と検屍編に分かれていますが、当時の本に関するルポルタージュなので明確なまとめも結論もありません。それだけに著者の主張が出てくるたびにまとまりのなさと疲れを感じました。

この本が出版されたときも今も乱読積ん読気味の身としては、可処分時間……もとい暇な時間の使い方が変わっただけだと思います。読書する時間は文字の多い本ではなくて直接感覚に訴えてくるゲームなどに使われるようになっただけです。漫画ですら下に見ているような感じが透けて見える状況ではどうにもならないでしょう。

本書は本を特別視しすぎです。

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