[読書雑文]『「依存症」社会』和田秀樹

『「依存症」社会』和田秀樹を読みました。様々な例で今の日本が「依存症」社会であることを説明しています。

なんでもかんでも依存症

たしかに「依存症」を誘発し、そこから利益を上げる構造があり、制限らしい制限のないパチンコの話は分かります。ですが、多くの話は政治が悪い、マスコミが悪い、法律が悪いと、なんでもかんでも悪者です。産業も同様です。邦画が流行っているのはテレビ依存、長電話は電話依存、独身が多いのは依存した物にお金を使っているからなど、なんでもかんでも原因は依存症です。

よく聞く話が多いです。著者の考えがどこにあるのかいまいち分かりません。依存症は病気なので気にすることなくオープンに、カウンセリングなどの治療を活用すべきということでしょうか。著者風に言うと、それもまた依存症に依存するビジネスになると思います。

著者なりの健全な社会というのがあるのでしょうが、それが強すぎて逆に支離滅裂に聞こえてきました。社会の問題に対して規制やベーシックインカムの声を上げるのは、その手前の治療に関する話がほとんど無い以上、説得力に欠けます。

精神科医が「依存症」という言葉にかこつけて社会を非難している本と捉えられても仕方がないと思います。まえがきに「“奇書”の類にいれられかねない本」と言っているのはその予防線でしょうか。

スポンサーリンク
アドセンス

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする


スポンサーリンク
アドセンス