[読書雑文]『マージナル・オペレーション 01』芝村裕吏

『マージナル・オペレーション 01』芝村裕吏を読みました。30歳でニートになった会社員が民間軍事会社に勤める物語です。

ニートになってしまった理由、民間軍事会社の研修、そして実戦と物語は大きく三つに分かれます。一人称でブログの日記のような文体で書かれています。

状況説明と志望動機

いつか良くなるかも知れないという気持ちを、怠慢と呼ぶのに気づいたのはこの頃だ。(p11)
僕はもう、三十だった。ラノベを読む数だって、だいぶ減っていた。AVも童顔より人妻とかのほうに目が行き始めた。これが歳かと、そんなことも、思い始めていた。
(p13)
それで僕は、納得してこの企業の求人案内に、応募した。自殺志願者というほどではなかったが、生にこだわりがあるわけでもなかった。(p15)

最初からこのような自分語りがあります。句読点の多さが訥々と語っているようにも聞こえるので、夢のない三十歳感がこれでもかと出ているように思います。

民間軍事会社に勤めてから

初めは主人公の内なる変化もほとんどありません。良くも悪くもブレない主人公です。軍事的才能があると周りに言われても相変わらず醒めた感じです。主人公からすればゲームをやっているようなもので、当たり前のことを当たり前にやっている感じがします。

それが一変する出来事があってとある決断をすることで話は大きく盛り上がります。それでも主人公の語りは淡々として、一つのオペレーションが終わったという感じです。

プレイのうまい人を見ているような

熱血漢や落ちこぼれが天才的な才能を開花して「俺様は強い」ということにならず、どこまでも淡々としています。淡々としながらも展開を読んで有利に進めるべく行動スタイルです。

プレイのうまい人のシミュレーションゲームを見ているような感覚の面白さです。その面白さを小説にすると本書になるのだと思います。

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