[読書雑文]『職業“振り込め詐欺”』NHKスペシャル「職業“詐欺”」取材班

『職業“振り込め詐欺”』NHKスペシャル「職業“詐欺”」取材班を読みました。なぜ高学歴、一流企業出身の若者たちが犯罪に手を染めるか。取材を通じて分かった振り込め詐欺の仕組みと彼らの考え方について書かれています。

弱者の目線から

高学歴、一流企業出身の若者、生活苦から使い捨てのコマとなる人、騙された人、詐欺グループを仕切る顧問と様々な登場人物たちが出てきます。それぞれの立場と理由が書かれていますが、基本的に弱者の目線で書かれていることが印象的でした。

拝金主義でありモラルの崩壊した日本になってしまったが故に出てきたのが振り込め詐欺なのではないかと結論づけています。

弱者について

生活苦から使い捨てのコマとなる人と騙された人です。

使い捨てのコマとなった人の話はどうしようもない閉塞感に溢れています。騙された人の話は哀れな話です。有り体に言えば「こんな日本に誰がした」ということなのでしょう。

騙す側がいみじくも語っていますが、これだけ注意するように言われてもまだ騙される、這い上がる努力をせずに使い捨てになっていくのは自業自得なのでしょう。他人のせいにするまえに、自分のせいにして考えることはなかったのかということはありますが、残念ながらそこまで踏み込んだ中身ではなかったです。

とはいえ、トラウマに踏み込むような取材であり、相手は弱者であることからそのような取材は困難だったのでしょう。

強者について

騙す側です。きっかけは何であれ、絶対的な悪です。

騙す側にはそれなりに高いプライドがあり、何らかの形で挫折をしたところで電話一本で稼げる仕事があったのでそれに飛びついてしまった。飛びついたところでは大金が動き、達成感のある状態が続きます。「悪いのは俺ではない、騙されるヤツが悪いんだ。」という論理です。

他人のせいばかりが目立つ随分と言い訳がましい内容だと思います。

みんな他人が悪い

取材で語られる人たちの言葉は他人のせいが目立ちます。もやもや感のオンパレードでした。一方で詐欺グループを仕切る顧問の語る言葉はまったくぶれていません。

顧問がストレートに語る拝金主義とゆがんだモラルの話は少し前の日本の常識からすれば外れていますし、悪と言っていいほどです。それでいて魅力的でもありました。

振り込め詐欺というのは、匿名性と利便性を突き詰めたところに拝金主義と崩壊したモラルを混ぜ合わせた結果、生まれたものだと思います。

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