[読書雑文]『家のない少女たち』鈴木大介

『家のない少女たち』鈴木大介を読みました。10代家出少女18人の取材から浮かび上がる彼女たちの生活と家出するしかなかった事情について書かれています。

家のない状況

彼女たちに共通している項目は、本のタイトルどおり「家のない」状況があります。

「家のない」状況にならざるを得ない中で、家が無くても暮らせるというのは女性だからであり、女性だから性的に搾取されながらもなんとか自立できてしまうという環境が恐ろしいです。ときおり写真があるのですが、あきらかに幼く細く、成長しているようにみえない彼女たちが売春により生計を立てているというのは異常です。

「性」が売り物になってしまうが故に、女性特有の悲劇があるのだと思います。そして、根本的な解決ができていない状況がそれに拍車をかけています。

彼女たちの物語

未成年出産、監禁、暴力、虐待と暗い話の連続です。その話と比べればマシというレベルですが、売春の互助組織の話もあります。逞しい娘もいれば、壊れそうな娘もいます。

どれにしても言葉に出ないような話ばかりです。

無力さ

言葉足らずで語られる彼女たちの生活、安直な言葉をかけられない無力さが伝わる著者のコメント、写真に見える幼く成長していない彼女たちの姿と、心をえぐるようなつらい話が続きます。

彼女たちの壮絶な性と生の話を読んでからまえがきとあとがきに書かれた著者の解説を読むと、その暗い闇が見えてきます。著者のうったえていることは正論なのでしょうが、どこか無力な感じもしてなんともつらい読後感です。

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